ジャイロセンサ(ジャイロセンサー)とは。シリコンリングジャイロセンサとは
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振動式ジャイロとは ―MEMSシリコンリングジャイロ
数あるジャイロ(Gyroscope)の方式の内、主に使用される「振動式」「機械式」「光学式」「流体式」を説明します。
振動式 Vibrating Structure Gyro
振動式とは、ある1方向に振動(一次振動)する質量に角速度がつくと 「コリオリ」効果でそれに直行する方向にも振動(二次振動)が発生する事を利用したものです。
一次励振には水晶や圧電素子がよく使われるので振動ジャイロ=圧電ジャイロという誤解がありますが、圧電であるとは限りません。小型・量産化に有利ですが、質量を加振する(つまり音叉やビーム棒を振動させる)とき固定支点が必要となり、支点に外部震動や衝撃が加わると誤出力を出してしまう欠点があります。音叉・ビーム形状の振動ジャイロはこの構造的問題を抱えており、緩衝材を使うと応答性が減少するなど根本的な解決方法に乏しい現状です。
シリコンセンシングシステムズの振動式ジャイロは振動形態を棒(音叉やビーム形状)を上下左右に振るのでなく振動子リングを中吊りにしてリングを楕円歪に振動させるため根本構造として外来応力に敏感な支点が無い上、楕円振動は外部震動・衝撃下では起こりにくく、悪い環境下でも忠実に高精度角速度の検出ができるようになっています。
これは理論上だけでなく実践でも証明されています。
機械式 Rate Gyro
機械式とは、コマが回っているものです。
電気ドリル(コマ)を手で傾けると直交方向に力がかかるのがわかります。この現象(歳差)を応用して角度変位を検知するものです。
(この点「ジャイロコンパス」と混同しないでください。「ジャイロコンパス」とは蝶番で懸架されたコマ軸が地球の自転軸と平行方向になりそれが維持されるのを利用した真方位を示す儀器であり、ここでいう歳差を利用して角度を検知するジャイロスコープ(ジャイロ)ではありません。)
レートジャイロ Rate Gyroscope とは角速度を検出するジャイロスコープの総称です。レートジャイロを積分して角度を出すものは積分ジャイロです。
ジャイロは、歳差により角度を検出しますが、機械的拘束によるエラー要因がかなりあります。したがいジンバル(蝶番懸架台)の自由度を精密機構で高めるより、コマ軸をバネで固定しバネ応力が角速度に比例することにて角速度を検知しそれを積分したほうが商品化し易いという発想がレートジャイロの起点となっています。
今日ではジャイロといえばレートジャイロ(=角速度センサー)であることが一般的解釈です。機械式ジャイロは精密機械なのでメンテナンスは必須です。
Dynamically/Dry Tuned Gyroscope (DTG)というのは機械式ジャイロの一種で, コマが特定の回転速度に達すると軸の機械的拘束が極小になる機構になっているものです。
光学式 RLG = Ring Laser Gyro, FOG = Fiber Optic Gyro
光学式とは、筐体内のミラーやファイバでレーザー光を周回させます。
筐体が方向を変えると内部で周回しているレーザーの発光から受光のタイミングが変わることを利用したものです。
高精度で航空機などに使われています。レーザーやファイバに寿命がありメンテナンスが必要です。
流体式 Gas rate Gyro
流体式とは、筐体内でガスを熱線にスプレーするものです。
筐体が回るとスプレーがカーブするのを熱線温度で検知します。熱線に対するスプレー量の変化(流体挙動)がかなり微妙で念入りな補正が個別に必要であること、浮遊不純物によるスプレー流路への影響、微細スプレーポンプの安定性経年変化など、各種の課題に対する実績に乏しいため市場ではあまり一般的ではありません。製品の取付方向で流路が変わります。また、ノイズが多いといわれています。